百貨店に入り、店内を通り抜けて屋上へ上がると
人で賑わう屋上遊園地と、その奥には観覧車が見えました。
蒲田のデパート -東急プラザ蒲田店-
京浜東北線に乗って、やってきたのは蒲田駅。
大田区の中心と言えるような場所にあり、駅周辺にはアーケードの商店街や、駅直結の立派なデパートもあります。
デパートの名は東急プラザ蒲田店。その屋上には、
「屋上かまたえん」があるのです。現在も残る、デパートの屋上遊園地です。
都心郊外の空中散歩 -幸せの観覧車-
遊園地のシンボルは観覧車。
現在の「幸せの観覧車」は、2014年から動いていますが、もともとは1989年登場の二代目「グレ太の観覧車 フラワーホイール」でした。初代の「お城の観覧車」は、1968年登場です。
つまり、半世紀近くもこの場所に観覧車があるのです。
蒲田のランドマークとして親しまれているのはもちろんのこと、今では都内唯一の屋上観覧車であり、非常に貴重な存在となっています。
料金は1人300円。大人も子供も楽しめる観覧車に、さっそく乗ってみましょう。
まず視界に飛び込むのが東急蒲田駅。大屋根の中に6面4線のホームを構える、立派なターミナル駅です。
一方で、当駅を発着する東急池上線と東急多摩川線は都会のローカル線的な存在。短い編成の列車が頻繁に行き来する路線です。
反対側には大田区役所が、また遠くには都心のビル群が見えました。
ニーズを満たす屋上遊園地 -かまたえん-
さて、観覧車から屋上遊園地を見渡すと、園内が多くの人で賑わっていることに気が付きます。
そこにあるのはノスタルジックではなく、人々に必要とされ、利用されている空間でした。
飛び跳ねて楽しめる風の丘や、自分の足で漕いで運転するエコライドは、体を動かしつつ楽しむことのできるアトラクションです。小さい子供やファミリーのニーズを満たします。
また、園内にはキッチンカーがあり、お酒や食べ物を提供しています。夏はビアガーデン、冬は日本酒におでんと、季節に合わせて楽しめます。蒲田の街にぴったりの、大人の楽しみも提供しているのです。
全体的に新しい「かまたえん」ですが、一角だけ、昔ながらのデパート屋上遊園地を感じさせる場所がありました。リノベーションされる前のかまたえんは、こんな感じだったのでしょうか?
現在も残るデパートの屋上遊園地は、積極的な投資やリニューアルが行われず、結果として残ってしまったパターンがほとんどです。
かまたえんは、一時は観覧車閉鎖の危機に瀕しましたが、存続を望む声を受けて、復活しました。その際、現代に合わせたアップグレードを行い、利用者のニーズを満たすことで、賑わう屋上遊園地と観覧車を創り出した、と言えるでしょう。