高崎市シリーズも、今回がラストです。
これと言った特徴のない市町村では「〇〇の街、△△市」という売り出し方をすることが多いのですが、高崎市では「パスタの街」と「映画の街」を推しています。実際に市内にはパスタ店が多く、名物と言えるレベルのクオリティとオリジナリティを持っています。では、映画はどうでしょう。
高崎電気館
高崎電気館は、シャッターだらけの中央銀座と、夜の街の雰囲気漂う柳通りの間にあります。つまり、繁華街のど真ん中です。
往時の賑やかさが感じられる立派なビル。平日昼間の人通りはまばらです。
多くの”街中の映画館”が閉業に追い込まれる中、ここでは今も現役で、映画を上映し続けています。
受付は2階になっています。
この時は時間がなくて、映画を見る余裕がありませんでした。しかし、せっかくここまで来たので、ちょっとだけ覗いていくことに。
松竹とか東映とか東宝とか、このへんの映画配給会社は名前からだけでもノスタルジックを感じます。
中に入り、軽く見学したい旨を伝えると、快く応じていただけました。
上映中でしたので、ロビーを眺めます。映写機が飾られているのが、映画館って感じがして良いですね。
さて、この高崎電気館は大正2年に、市内で初めての常設映画館として開業しました。平成13年には休館しましたが、その後、地域活性化や文化活動の拠点として再びオープンしたとのことです。
オリオン座
映画といえば、かつての娯楽の中心です。高崎ほどの都市であれば、街なかに複数あったのも当然のことと言えるでしょう。
オリオン座は、高崎電気館のすぐ近く、中央銀座通り沿いにあります。
2003年に廃業し、しばらく廃墟として放置されていました。ところが、久しぶりに訪れてみると、やけに入口がきれいになっています。なんと、数ヶ月前にリノベーションされて、カフェとしてオープンしていたのです。
この日は残念ながら定休日でした。しかしながら、時代に合わなくなった古い施設が、現在に合わせて活用され、保存されることは嬉しいことですね。
ちなみにこちらが、廃墟時代のオリオン座です。当時のポスターがそのままになっており、まるでそこだけ時間が止まっているかのようでした。
シネマテーク高崎
今回は訪れることがありませんでしたが、最後にもう1つの映画館をご紹介します。
シネマテーク高崎は、中心市街地のメインストリート旧中山道沿いにある小さな映画館です。もともと銀行だった建物を改装して、2004年にオープンしました。
市内には、駅前に109シネマズ、郊外にイオンシネマなどのシネコンがあり、中心部には昔ながらのミニシアターがあります。
「映画の街高崎」というのは、高崎映画祭というイベントや映像作品のロケ地としてPRするために使われているのですが、肝心の映画館も、非常に充実していると言えるでしょう。
私はそれほど映画好きというわけではないのですが、古き良き大衆娯楽の雰囲気には惹かれるものがあります。魅力的な映画館が今でも営業を続ける「映画の街高崎」は、これからますます盛り上がりを見せることでしょう。もしかすると、あなたが見た映画の中にも高崎の街が出ているかも知れません。
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