駅と中心市街地は、たいていの場合は離れています。
後に利便性の高い駅周辺(あるいは幹線道路沿い)が発展すると、かつての中心市街地が衰退する。というのが地方都市でよく見る光景です。
では、長崎はどうでしょうか。
観光通り・浜町アーケード
長崎市の繁華街「浜町」は、駅から2kmほど離れた場所にあります。
しかし、長崎市内には路面電車があります。駅から浜町までは簡単に行くことができました。
観光通り停留所を降りると、さっそく立派なアーケードの入口が顔を出します。
それでは、いよいよアーケードの中へ。
まずは停留所の名前にもなっている「ベルナード観光通り」です。三角屋根が特徴的で、浜町を南北に結びます。
続いて浜町を東西に結ぶ商店街「浜町アーケード」です。こちらはアーチ型の屋根が特徴的ですね。
浜町は、2つの巨大なアーケード商店街が十字形にクロスしています。その下には「観光通り停留所」、左には「浜町アーケード停留所」があります。このアクセスの良さが、浜町が中心市街地として、繁華街として賑わう要因の1つだと言えるでしょう。
浜町アーケード沿いには老舗デパート「浜屋百貨店」があります。市内唯一の百貨店として、浜町エリアの商業の核として営業を続けています。
多くの地方都市では”商業の中心地”が、街中から郊外のイオンモールなどへ移っていきました。浜町では、以前より百貨店の数は減ったものの、ここが商業の中心地であることに変わりはありません。なぜでしょうか。
その要因は、長崎市の地形にありました。
長崎市では平地が少なく、郊外が発展するスペースがあまりありませんでした。そのため商業施設の郊外への流出が起こらず、もともと商業の中心である浜町が、現在でも高い利便性と充実度により多くの買い物客を集めているのです。
2018年3月。
修学旅行以来数年ぶりに訪れた長崎の街は、異様な熱気に包まれていました。
長崎新地中華街から続く大量のランタンは、浜町アーケードをも埋め尽くします。
中国の春節の時期に開催される長崎ランタンフェスティバルは、市内有数のビッグイベントです。赤い灯りに照らされた商店街は、この時期にしか見ることのできない貴重な風景でした。
コロナ禍の影響で開催ができない状況が続いていますが、またいつかこの風景を見に行きたいです。
「観光通り・浜町アーケード」への2件のフィードバック